長嶋茂雄氏、松井秀喜氏の師弟の絆の物語
本の内容
ミスタージャイアンツ、長嶋茂雄氏と長嶋さんがクジで引き当てて獲得し、手塩にかけて育て、長嶋さんが監督を辞任した後メジャーに渡り、引退までプレーした愛弟子、松井秀喜氏の二人の間にある絆について書かれた本です。
二人にしか分からない世界
長嶋さんは、松井さんが巨人に入団した後、1000日で一流の選手に育て上げる「1000日計画」を立ち上げました。
東京ドームで試合を行う日は室内の練習場で、遠征の日はホテルの長嶋さんの部屋で、試合後も毎晩素振りをさせていました。そしてスイングの音で調子の良し悪しを判断していたそうです。
松井さんは引退する時、今までで一番印象的だったことに、「長嶋監督と素振りをした時間」と答えていました。
長嶋さんが監督を辞任して、松井さんもメジャーに行った後も、それは途切れることがなく、松井さんが打撃不振に陥った際もアメリカまで飛んでいき、ホテルの一室で素振りをさせたといいます。
ここまで松井さんのアシストをするのは、なかなか考えられない行動だと思いますし、そこまで松井さんに対しての愛情が深いのだと思います。
まさに二人にしか分からない領域です。
長嶋さんは繊細で、そして野球界を盛り上げるために一生懸命な人
この本を読んで長嶋さんに対して思ったことです。
長嶋さんは松井さんに対してマンツーマンで指導しましたが、それだと他の選手は面白いと思いません。そこで、チーム内で不協和音が生じないように振舞ったようです。
長嶋さんといえば選手時代にこれから試合があるのに練習後に風呂に入ったり、息子を球場に忘れて帰ったり、選手の名前を間違えるなど、周りが見えていないような破天荒なエピソードがありますが、決してそんなことはないと思いました。
他にも、相手チームの選手にアドバイスをして味方から咎められても、「不調の選手に勝っても上手くならない。お互い切磋琢磨することによって野球界が盛り上がる」と突っぱねたという話もあります。
長嶋さんは常に相手やファンが何を考えているのかを分かっていて、全体的な視野で物事を見ることが出来る。だから長嶋さんが何かアクションを起こすと、みんなが注目する。大勢の人の気持ちを動かすことが出来る長嶋さんは本当にすごい人であるのだと思いました。
松井さんの選手としてのすごさ
松井選手は、巨人にいた頃は96年以降常にタイトル争いに絡む程の選手ですが、その他にも、すごい点が発見出来ました。
ただ長打力があるだけでなく、相手投手の特徴、試合状況を考えたバッティングをしていて、ヤンキース時代に首脳陣から信頼を得ていた要因にもなったそうです。
松井氏はメジャーリーグでは本塁打王のタイトルを獲得することはありませんでしたが、個人タイトルを獲るということだけが選手の魅力という訳ではないのだと感じました。
そして、チームプレーを心掛けていたから、ワールドシリーズでMVPを獲ることが出来たのだと思います。
最後に
現役時代の長嶋さんの姿は生まれていなかったので生で見ることは出来ませんでしたが、長嶋さんがすごい人だと認識するには十分すぎる内容が書かれた本です。ぜひ読んでみて下さい!! 今回のお話は以上です。次回も興味を持っていただけるようなことを書いていきます!!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!