のんびり読書記録

自分がこれまで読んだ漫画、小説、ビジネス書等、マイペースにのんびりと書いていきます。

【書評】松井秀喜物語

 


松井秀喜物語―少年時代から今日までの、すべてを明かす (学研のノンフィクション)

 今回は、「松井秀喜物語ー少年時代から今日までの、すべてを明かす」を読んだ感想について話していきたいと思います。

本の内容

 読売ジャイアンツ、ニューヨーク・ヤンキースの4番で活躍した松井秀喜氏の生い立ちについて書かれています。時期的には1998年くらいです。

 当時コロコロコミックで連載されていた「ゴーゴーゴジラッ!!マツイくん」を読んでいたこともあって、その影響でプロ野球に興味を持ち始めた頃に読みました。本の表面を見て、マツイくんの主人公であるマツイとは大分違う感じだなーと思いました。当時、現実とフィクションの区別が出来ていなかったのもので。

最初は右打ちだった

 松井氏は、幼少期から食欲旺盛で、体も大きかったそうです。

 野球は兄の影響でするようになり、兄と同い年の人達よりも遠くに飛ばしていました。野球を始めた頃は右打ちだったのですが、ある日、自分達よりも遠くに飛ばすのが面白くなかったのか、兄に左で打ってみるように言われ、憧れの選手である掛布雅之氏も左だから良いと思い、左で打つ練習を始め、最初はなかなかバットにボールが当たらない状況だったのですが、当たるようになると、打球はグンと遠くに飛んでいきました。右打ちのままだったらどうなっていたんでしょうね。

 私もイチロー氏や松井氏に憧れて左で打ち始めたのですが、ふざけてるのかと呆れられました。

松井秀喜氏の人格は中学時代に生成された

 松井氏は、中学は根上中学に進学したのですが、その時にコーチを務めた人がこれまでで一番厳しい指導者であったと語っています。練習はいつも厳しく、さすがに松井氏もキツかったそうです。しかし、その厳しい指導のお陰で体の基礎が作られ、より強い打球を打てるようになったと語っています。

 そして、私は、この時に松井氏の人生を大きく変えたと思っています。

 すでに松井氏が強打者として有名になっている中、ある試合で、相手投手が松井氏との勝負を避け、敬遠しました。

 これに松井氏は腹を立て、バットを投げて相手投手を睨みつけました。しかし、試合後にコーチに自分の大事な野球道具を粗末に扱ったこと、敬遠はルールで許されているにも関わらず相手投手を睨みつけたことに対して厳しく叱責を受けました。この経験があったから、甲子園で五打席連続敬遠を受けても怒りの感情を出さなかったのだと思います。

 何が悪いのか、しっかり理由を付けて諭す良い指導者に出会えたんだなと思いました。

巨人に入団してからの経験

 当時監督だった長嶋茂雄氏が当たりくじを引いたことで巨人に入団し、高津投手から打ったプロ初ホームランを打った時の感想、94年に10.8決戦、西武日本一になった時のこと、96年のオリックスとの日本シリーズ負けた時の感想、ファンに対する感謝、膝の故障について書かれていますが、来てくれたファン全員にサインをするサービス精神、そして怪我と闘う松井氏の心の強さに驚きました。

 あと、意外に遅刻癖もあるなど面白いエピソードもあって松井氏もそういった部分があるんだなと思いました。

感想

 この本を読んで、松井氏がなぜファンだけでなく、野球界全体に支持されるのかが分かったと思います。そして、この本を読むことで、引退後にヤンキースタジアムで引退セレモニーまで催された理由が分かると思います。

 この本は子供向けなので子供のプロ野球ファン、特に松井氏のことを知りたい子供にお勧めです。