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【書評】不滅の師弟 絆の物語―長嶋と松井の20年―

 どうも。takaです。今回はこちら、「不滅の師弟 絆の物語―長嶋と松井の20年―」の紹介をしていきたいと思います。

 


不滅の師弟 絆の物語―長嶋と松井の20年―

 

説明

 ミスタージャイアンツと呼ばれ、選手としてここぞという場面で打って活躍し、プロ野球を国民的スポーツにのし上げた長嶋茂雄さんがドラフトでクジを引き当てて獲得し、手塩にかけて育て、長嶋さんが監督を辞任した後メジャーに渡り、引退までアメリカでプレーした愛弟子、松井秀喜さんの二人の間にある絆について書かれた本です。

 

二人にしか分からない世界

 長嶋さんは、松井さんが巨人に入団した後、1000日で一流の選手に育て上げる「1000日計画」を立ち上げました。

東京ドームで試合を行う日は室内の練習場で、遠征の日はホテルの長嶋さんの部屋で、試合後も毎晩素振りをさせていました。そしてスイングの音で調子の良し悪しを判断していたそうです。

 

 松井さんは引退する時、今までで一番印象的だったこととして、「長嶋監督と素振りをした時間」と答えていました。

 

 長嶋さんが監督を辞任して、松井さんもメジャーに行った後も、それは途切れることがなく、松井さんがメジャーの野球に対応出来ず、打撃不振に陥った際もアメリカまで飛んでいき、ホテルの一室で素振りをさせ、当時のヤンキースの監督、トーリ監督に「松井は必ずやってくれる」と助言したそうです。

 

 ここまで松井さんのアシストをするのは、なかなか考えられない行動だと思いますし、そこまで松井さんに対しての愛情が深いのだと思います。

 まさに二人にしか分からない領域です。

松井さんは人間的に素晴らしい

 松井さんが一番長嶋さんから学んだことは、「ファンを大切に」ということだと思います。

 だからインタビューにも嫌な顔をせずにキチンと対応し、ファンに伝えていました。

 チームの勝利に貢献するプレーを心掛け、怪我をした時も泣き言を言わずに取り組む。そんな姿にチームメイト、ファンは共感した。だからこそ松井さんはヤンキースから信頼を勝ち取りました。

 

 ネットの記事でみたのですが、ニューヨークで松井さんの引退セレモニーが開催された際、セレモニーを見にニューヨークまで来た人が、スケジュールで入国手続きが難航し、このままだとセレモニーが見れなくなってしまう。そこで、引退セレモニーを見に来たと言うと、すぐに通してもらえたそうです。

 

 松井さんのニューヨークでの人気が伺える良い話だと思いました。

 

長嶋さんは繊細な人

 この本を読んで長嶋さんに対して思ったことです。

 

 長嶋さんは松井さんに対してマンツーマンで指導しましたが、それだと他の選手は面白いと思いません。そこで、チーム内で不協和音が生じないように振舞ったようです。

 

 長嶋さんといえば選手時代にこれから試合があるのに練習後に風呂に入ったり、息子を球場に忘れて帰ったり、選手の名前を間違えるなど、周りが見えていないような破天荒なエピソードがありますが、決してそんなことはないと思いました。

 

 4番バッターをFAでかき集めたのも、松井さんに4番の姿を学んでほしい、そういう気持ちもあったと言います。

 

 なので、落合博満さんが巨人に移籍した後、遠征先で食事の時間が来た時に落合さんを呼んで来るように松井さんに頼み、落合さんが部屋でどんな過ごし方をしているのか見せたそうです。

 

 ちなみに、落合さんは、バットを持ちながらテレビを眺めていて、一時も野球のことを忘れていませんでした。

 

 長嶋さんは常に相手やファンが何を考えているのかを分かっていて、全体的な視野で物事を見ることが出来る。だから長嶋さんが何かアクションを起こすと、みんなが注目する。大勢の人の気持ちを動かすことが出来る長嶋さんは本当にすごい人であるのだと思いました。

 

 感動する物語なので、お勧めです。


不滅の師弟 絆の物語―長嶋と松井の20年―