【書評】ヴィクトリア
どうも。takaです。今回はこちら、近代ノルウェー文学を代表する大地の作家クヌート・ハムスン氏の最も美しい愛の物語、「ヴィクトリア(岩波文庫)」を読んだ感想を書いていきたいと思います。
ストーリー
粉屋の息子であるヨハンネスと城の令嬢のヴィクトリア。
子供の頃にこの二人は出会い、身分に格差があるものの相思相愛の関係になるのですが、ヨハンネスは粉屋から離れて勉学に励んで詩人の卵となり、ヴィクトリアは親が決めた他の男性と婚約することに。
それでもヴィクトリアはヨハンネスのことを忘れることなく、二人はお互いを愛し続けるのですが、なかなか心を開くことが出来ず、近付いては傷つけ合い、離れてはお互いのことが頭から離れない。
この作品は伝統的な身分違いの悲恋物語です。
人に対して素直になるのは難しい
漫画でもどかしい男女カップルを見ていると、「ヘタレ」とか、「早く結婚しろ!!」とかツッコミを入れたくなると思いますが、この場合は本人達にとってはお互いどう思っているのか感じ取ることが出来なかったり、好きであるが故に嫌われたらどうしようとか、フラれたらもうこれ以上生きても幸せになれないのではないかという不安があるし、慎重になりがちなのです。コミュニケーションが苦手な人なら、上手く話せなくて悩んだりする時、嫌われる恐怖というものが付きまとい、自然とそういう所を考えているから感じる所があると思います。
しかも、どちらかが素直になってももう片方が素直になれなかったら思いは通じることなくすれ違ってしまう。コミュニケーションはどちらかが拒絶したら成り立たないものです。
それはプライドとかが絡んでくるのでしょうけど、それは好きだからこそとってしまう態度でもあるので、それも愛おしいと思うんですよね…
最後は本当に切なくて泣けます。ぜひ読んでみて下さい。