どうも。takaです。今回は村上春樹氏の作品、「ノルウェイの森(講談社文庫)」について書いていきます。
タイトルに森と書いてあるだけあって、 読んでいると自分の周りは森だと思い込んでしまう
読む前は森の中が舞台で、森の中を彷徨う物語かなと思っていたのか、どこにも行く当てもなく、終始霧のかかった深い森の中を彷徨っている感じでした。行けども行けども目の前に見えるのは木だけ。ちなみに「ノルウェイの森」はビートルズの曲なんですね。
本を選ぶ基準
最も印象的な所はワタナベ君は頭はすこぶる良いけどストイックで独特な倫理観を持っている東大生の永沢という人とよく話していて、その中で永沢君が言った「死後30年以上経った作家の本しか読まない」という言葉が引っ掛かりました。
30年というのはその作家の書いた本が世間では良い本と見なされているのかそうでないのかを見極める基準みたいです。良いと見なされた本は何年、何百年、何千年と経っても残り、良くないものは残らない。厳しいけどなるほどと思いました。人は死んでからその人の重要性に気付くともいいますので。
現に清少納言の「枕草子」もそうですし、「論語」、「竹取物語」、「三国志」、「方丈記」、「奥の細道」といった有名な古典は何百年経っても未だに廃れず、今でも現代語訳などの形で本屋に並んでいます。
全体の感想
作中に本を読むシーンが書いてあるだけでなく、どんな本がすごいのかが書かれてあり、その影響で、歴史の深い本は読んで得られるものが大きく、より自分を高めてくれるのだと、ワクワクしてきました。
他にも緑という女性の話を聞いて、周りから恵まれた環境にいると思われていても、当の本人はそんなこと思っている訳ではない。本人にはそれなりの悩みがある。だから自分より良い環境にいる人に対して贅沢だとか甘いだとか言う行為は人として間違った行為であって、それは相手に言ってはいけない言葉であると思いました。
村上春樹さんの作品に出てくるキャラクターは、物事の捉え方が達観しているので、物語を楽しむだけでなく、教養を深めるためとしても良いと思います。
この本を読んで私は買ったけど内容が分からず本棚の奥の方に置いている紫式部の「源氏物語」とか夏目漱石の「吾輩は猫である」、ドストエフスキーの「罪と罰」などの本をまた読もうと思いました。
そして自分がどんな環境に置かれていようとも、他人の環境は関係無い。要は自分の今の環境が気に入らないのであれば他人の環境を羨ましがるのではなく、そのようなことを考えるのであればそれよりも自分の今いる環境を変える努力をすべきだと思いました。
上下巻と分かれているものもあるので、分けたい人はこちらを読むのがお勧めです。