【小説】ツナグ|もしも死者に会えたら
人は、どう足掻いてもいずれ死ぬ。そして人は死ぬと、葬式が行われ、体は高温で焼かれて骨だけになり、49日後にお墓に収められます。そしてその人とは話すことも、その人の顔も遺影やアルバム写真等でしか見ることも出来ません。
しかし、もし死者に会えるとしたら?そんな世界を描いた作品が辻村深月さんの「ツナグ」です。
ストーリー
生涯に1回だけ、生者と死者の仲立を務める「使者」を通じて現世に生きている人間が死んであの世にいる人間に会うことが出来ます。
そして、その噂を聞いて、亡くなったアイドルや親、親友等に会いたいという依頼を頼み、使者はそれを受けて使者と交渉し、会うかどうか、死者に交渉をします。
交渉が成立して、会うことが出来ます。
独立しているものだと思っていたが、それは違った
この作品は、一話ごとに主人公が違っていたので、それぞれ別の次元のお話かと思っていました。
しかし、今日最後の話を読んでいる中で、ある人物がこれまでの話に出ていた人と同一人物ではないかと思って前に読んだ所を見たのですが、その通りでした。その時、この作品は同じ世界、時間でつながっていたのだと気付きました。
あと、これまでその話の主役の一人称で物語が進んでいたけど最後の話だけ三人称文体で書かれていたのも驚きました。
人は死んだらどこに行くのだろうか?
この作品を読んでいて真っ先に思ったことですね。私はよく「自分は何者なのか?」「どういう原理で意志を持っているのか?」「死ぬのが怖い」と思っています。
なぜなら、分からないからです。本当にあの世があって、そこに行けると信じたい気持ちがあるから前世や来世も信じるし、スピリチュアルの番組であの世にいる人と対話したというのも信じています。少なくとも、永久に動けないなんてつまらないから嫌です。
全体の感想
このシステムは、身内や親友だとお互いに言えなかったことを言う機会を設けて現世に生きる人達に前を向いてこれからの人生を歩んでほしい。そしてこの作品は、死ぬまで悔いのないように生きなさいと読者に発信しているのかなと思いました。
今回のお話は以上です。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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