【書評】発達障害「グレーゾーン」
どうも。takaです。今回はこちら、精神科医岡田尊司氏の著書、発達障害「グレーゾーン」の感想です。
本の内容
発達障害という言葉の認知度が高くなり、症状を調べると自分はそうかもしれないと思って医療機関を訪れる人が増えている中で、兆候はあっても発達障害であると診断がおりないグレーゾーン。
グレーゾーンは障害未満でありながら障害を抱えた人よりも仕事において深刻な困難に陥りやすい。
本書ではそんなグレーゾーンな人達に対して豊富な臨床経験を持つ著者が生きづらさの正体と対策について書かれています。
なぜグレーゾーンは生きづらいのか
グレーゾーンの人達が生きづらい理由として、周りが正しい意味を理解していないという部分があります。
例えば「コミュ障(コミュニケーション障害)」は、本来言語的・非言語的コミュニケーションに障害がある状態を指す用語で、重松清氏の作品「青い鳥」に出てくる村内先生のような吃音等も含まれます。
しかし、社会ではこのコミュ障を「コミュニケーションや人付き合いが苦手な人」を指して言っています。
だから普通に人と交流出来たり出来ても言葉遣いが適切でなかったり、微妙なニュアンスが伝わらない場合などは障害と認知されず、グレーゾーンになってしまいます。
私自身もそういった傾向があり、社会人になって働くようになってからコミュニケーションを取らざるを得ない状況になり、周りにとって当たり前だという行動等が理解出来ずに怒られることが多くて生きづらさを感じることがありました(今もですが)。そのことを相談したら発達障害が原因の1つなのではないかと言われました。
能力の偏り
発達障害と言われている人は出来ることと出来ないことの差が大きいです。
その部分で一番苦労することになるのは会社でやる仕事になります。
例えばAさんはPCに強く書類作成等は手早く出来る。それに対してコミュニケーション能力は皆無で度々相手を不快にさせてしまう。そういったことが珍しくありません。
私は職場ではPCに向かって黙々と作業するタイプで、覚えたことは手早く出来るというのをよく長所として言われますが、話すことに関しては全くダメで自分の伝えたいことが上手く伝わらない・場に沿った行動が出来ない・相手の意図が読めないという部分が短所として挙げられます。
しかも、会社は出来る部分より出来ない部分を見る傾向にあり、そこからどこか飛び抜けた部分がある人よりも何でもそつなくこなせる人を求めていることが分かります。
発達障害の人達が仕事で苦労する理由としては、まさしく平均を求める風潮なのではないかと思います。
それでも上手く生きるには
発達障害の人達は周りが当たり前に出来ることが出来ない。とマイナスの意味で捉えられがちですが、他の人には出来ないことが出来るといった部分も潜んでいます。
能力は生まれつきの要素もあります。だからいくら努力しても達成できないものは達成出来ない。
だからないものねだりをせず会話が苦手というのを短所であると自覚したのであれば、「職場では仕事の話しかしない。聞きたいことがあれば紙に書く」、「挨拶だけはしっかりする」と会話する機会を極力減らす工夫をする。
自分が持っている部分を認識し、それ準じて行動することがグレーゾーンの人達にとっては生命線なのだと思います。
生きづらさを抱えている方はぜひ読んでほしい一冊です。