どうも。takaです。今回は、「星降り山荘の殺人 (講談社文庫)」についての感想です。
あらすじ
雪に閉ざされ、ライフラインも断絶されてしまった山荘に、UFO研究家、売れっ子女性作家等といった癖のある面子が集まった。そんな中で突然発生する連続密室殺人事件。警察とも連絡がつかない中、誰が犯人なのか?「スターウォッチャー」星園詩郎が推理していく。
ストーリー
マネージャー 杉下和夫とタレント星園詩郎の二人は、開発業者『ヤマカンムリ開発』からの依頼で、秩父のキャンプ場のイメージキャラクターになるにあたって実際に現地で一泊して欲しいと招待された。
キャンプ場に集まったのは、和夫たちを入れて全部で9名。ヤマカンムリの社長岩岸豪造とその部下財野政高、社長が連れてきた女子大生(バイトキャバ嬢)の小平ユミと大日向美樹子。UFO研究家嵯峨島一輝。作家草吹あかねとその秘書早沢麻子。一人ひとり個別のコテージが割り当てられ、和夫と財野の二人は管理棟に宿泊することに。
夜に親睦会が開かれ仕事の話、議論を交わしたりと過ごし、その日の翌日、事件が起きる……。
要約を上手く使った作品
この作品では、所々に次の展開に対してのヒントとして要約が書かれています。そして、この要約こそが読者が推理をするにおいて足を引っ張ることとなるのです。
この要約を素直に読むとミスリードに引っかかります。私自身、この要約を見て先入観を植え付けられてまんまと引っ掛かりました。しかも読み直していると嘘を言っていない。
他の推理小説では主人公の中に入って一緒になって犯人を捜していく感覚で読んでいましたが、要約によってこの作品は「この事件の犯人、分かるかな?」と読者に挑戦状をたたきつけたような感覚を味合わせてくれました。