のんびり読書記録

自分がこれまで読んだ漫画、小説、ビジネス書等、マイペースにのんびりと書いていきます。

【書評】地球星人

 

 人間は生まれてから学校で社会を学び、社会の歯車となって働き、子孫を残す。この繰り返しで人類は進化してきました。

 今回紹介する「地球星人」はそんな世の中の常識に疑問を投げかけた作品です。

感想

【1】世の中に馴染めない人も一定数いる

 男性は大人になったら社会に出て汗水垂らして働き、女性は子供を育てる。この世の中では常識と言われている人の役目を「工場」と揶揄しています。

 主人公は子供の頃から「工場」に馴染めず、大人になったら解決するだろうと考えていましたが、結局馴染むことが出来ません。結婚もするのですが、家事も分担ではなく分断。夫も主人公と同じで人間の役目を上手くこなせず、苦労している描写があります。

 しかし、現実でも職場に馴染めなかったり、労働が過酷、パワハラ上司等が原因で転職を繰り返す人もいるため、主人公達のような人は一定数存在します。学校に行って学ぶことや、企業説明会や面接で聞いたこと。それが実際働いて自分が抱いていた印象と大分違ったなんて思うことが多いでしょう。結局大人になっても馴染めない人は馴染めないのです。

【2】結婚の価値観

 結婚も今は個人の自由で、子育ても女性の役目から男性が育児をする家庭もあり、キャリアウーマンとしてバリバリ働く女性も普通に存在しています。昔は子供を作るために親等が相手を探すとかありましたが、それも少なくなってきました。

【3】人は同じ考えを持っている人がいると安心する

 主人公と夫は最終的に「工場」から離れ、自分達で生活するという生き方を選んで世間から離れた場所で生活するようになりました。それから色々試して固定観念が無くなり、楽しく生きることが出来るようになりました。人は自分の倫理観が合う人に出会うと安心した気持ちになり、一気に気分が高揚することがあります。コミュニティの存在は常識を破壊する力を秘めていると思いました。

 

 今の世の中に疑問を持っている方は読んでみると良いと思います。