【小説】定年ゴジラ|定年退職後の人生‥‥‥(感想)
社会人として仕事をこなし、歳を取っていくとそのうち定年になり、仕事から解放されます。
しかし、仕事で使っていた時間を定年後はどのように使っていくか、特に仕事以外の趣味を持っていない人や仕事に全てを捧げていた人は悩むのではないかと思います。
何か新しいことは始めた方が良いんじゃないかとか・・・、日常生活が変わったことで、慣れないのか、物足りなさがあるのか・・・
そんな定年後の生活を描いた作品が今回紹介する『定年ゴジラ』。
銀行員として42年間真面目に勤め上げて定年を迎えて退職した山崎さんが、定年後の家族・住んでいる街・周りとの付き合いを描いた物語です。
『定年ゴジラ』の魅力と見所
【1】登場人物の現役時代は辣腕だった
定年になって仕事から離れると、現役時代の面影は段々薄れていってしまうものなのですが、みんな現役時代はそれなりの会社・地位にいました。
町内会長は大手広告店で、野村さんは運送業で部長として西日本を駆け巡った経験を持ち、その影響で西日本の方言を日常的に使っています。江藤さんは戦災孤児で、両親を亡くした中くぬぎ台で家を建て、藤田さんは現在のくぬぎ台の街開発に直接携わっていた経歴があり、現役時代はバリバリ働いていました。
定年になった後の話だから認識しにくいですが、家を建てて子供達も自立させている辺り、彼らのすごさを感じます。
【2】定年仲間が魅力的な人間性を出している
山崎さんは散歩を続けていたある日、藤田さんと知り合い、それがきっかけで町内会長・江藤さん・野村さんとも知り合いになります。
私が読んでいて、一番印象に残ったのは江藤さんです。
山崎さん・藤田さん・野村さん・町内会長は定年後の新しい趣味や生活を開拓していく中、江藤さんは登場してからすぐに亡くなってしまいます。
定年になった後は思いっきり遊びたい、これから探したいと思っている人もいれば、定年になったら早く逝きたいと思う人もいます。
けれども死は自ら望んで起こることではなく、突然訪れるもの。
定年後は体が衰えていくだけだから生きていても・・・と人生に希望を見出せなくても、本当に亡くなったら無念なんじゃないかと思います。
江藤さんは前者の方だったと思うので、登場してすぐ亡くなったのには悲しい気持ちになりました。
江藤さんを含めた5人の人生を見たかったのに、すごく残念でした。
出番はすぐ終わってしまいましたけど、葬式に参列した山崎さんの様子から、山崎さんのやるせなさを感じました。
交流は少なかったけど山崎さんの人生に足跡を残してくれたと思いますし、町内会長も藤田さんがいなくなる時、江藤さんの名前を出していたことから、江藤さんも間違いなく仲間の一人だと思います。
他に魅力がある人物は、野村さんです。最初は厳つくて怖い人だなと思っていましたが、読んでいくにつれて、人間臭い所が見られ、だんだん惹かれていきました。癖が強くて不器用だけど、くぬぎ台が好きなんだとミシュランの回で好きになりました。
【3】みんなくぬぎ台が好き
ニュータウンの評価を下す週刊誌に目を付けられ、これまで他のニュータウンも言いたい放題の言われようだったため、くぬぎ台の人達は何も知らずに取材を許可した町内会長を責め、野村さんも苦言を呈しました。
町内会長はすっかり参ってしまいましたが、それでも「くぬぎ台が好きなんだよ」とくぬぎ台への愛情を定年仲間に告白します。自分の好きなくぬぎ台を高く評価されたいという色心もあったのだと思います。
くぬぎ台は東京の西側に存在し、新宿まで2時間くらいかかる距離。遊ぶ所も無くて生活が不便な所もありますが、くぬぎ台に住んでいる人はみんなくぬぎ台が好きなんだと思います。
町内会長を責めたのも自分が好きな街を悪く言われるのには耐えられないからだと思いますし、野村さんも取材していた学生にブチ切れたのも、くぬぎ台の街開発をしていた藤田さんが教授に何も言い返せなくて悔しいと思っているのも、山崎さんが教授に無理を言ってパトロールにつき合わせたのも、みんなくぬぎ台を愛しているからですし、くぬぎ台を否定されることは自分を否定されているのと同じだからと思います。
長く住んでいると愛着は自然と湧いてきますし、住んでいる土地を否定されるのは自分そのものを否定される。これは看過出来ないですよね。
【感想】人とのつながりが人生を面白くさせる
読み進めていくにつれ、最初は定年後の時間の使い方に悩んでいた山崎さんがどんどん楽しく過ごしていくようになっていきます。
これは家族と関わる時間が増えて娘の結婚に向き合ったこと、定年仲間に出会えたことが原因なんだと思います。山崎さんが娘と結婚相手に言った言葉は感動しました。
家の中にいる時のつながり、外に出た時のつながり、仕事をする時のつながり。この3つをしっかり作れば、人生は楽しいと思います。
この作品を読んだことで、出会った人との縁を大事にする気持ちが強くなりました。
大人のあやとり―ひも1本で脳力活性!家族みんなで遊べる! |大人にも期待出来るあやとりの効果
あやとりは指先を使うため、手先が器用になったり、やっていくうちに色々な技を記憶するため脳が活性化し、知育効果が期待出来ると言われています。
しかし、大人もあやとりをマスターすることによって同様の効果があると言われています。そんな大人向けのあやとり本としてあるのがこの『大人のあやとり―ひも1本で脳力活性!家族みんなで遊べる! 』
今回はこちらの感想を書いていきます。
『大人のあやとり―ひも1本で脳力活性!家族みんなで遊べる! 』の魅力
【1】あやとりは脳を鍛えることが出来る
人間の進化は、手や指を動かすことで起こったものと言われています。人間の脳内でも、手先の動きに関する領域が、広いスペースを占めていて、大脳皮質の広い面積が活動することが研究で明らかになり、指先は「第二の脳」という見方が出てきました。
あやとりで技を作るためには指を使ってひもを取り合ったりする必要があります。そのため、あやとりは脳を活性化することが出来るのです。
他に脳に良いと言われているピアノも指を動かすので納得出来ると思います。
【2】技を覚えた時の気持ち良さが中毒性を生み出す
あやとりをしていて気持ち良い瞬間は、何といっても技を取得出来た時。
私は小学1年位の頃にあやとりに触れました。最初は「ほうき」がなかなか出来ず、本を読んでも理解出来なくて、何度も「もういい」と途中で投げ出したのですが、あやとりのことが頭から離れず、数秒後にまたあやとりを手に取ってまたやっていました。
そしてようやく出来るようになった時は嬉しくて、その勢いで他のページに載っているものにも取り組むようになりました。
すると、本の内容を理解出来るようになったのか、最初の頃より技を取得出来るまでにかかる時間が減りました。
本を読みながら完成させた技も、何度も繰り返して素早く完成させることが出来るようになりました。
【3】初心者向けから上級者向けまでの技が紹介されている
この本には、初心者から上級者向けの技が紹介されています。
初心者の方には初心者向けの技から習得を目指し、すでにあやとりに慣れている人はいきなり上級者向けの技を取得を目指す等、使い方が自由です。
自分の知らない技も紹介されていたので、出来る技の種類が増え、よりあやとりが楽しくなりました。
【感想】あやとりは最高の暇つぶし
あやとりは簡単・もしくは慣れた技なら1分かからず作ることが出来ますので暇つぶしに適しています。
覚えた技の復習にもなりますし、注目を浴びるかもしれません。
あやとりは子供の遊びと言われがちですが、大人の遊びとしても全然アリです。
手が空いた時はスマートフォンではなくあやとりをいじってみてはいかがでしょうか?
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【小説】クローバーナイト|家族の幸せを守るために‥‥‥(感想)
結婚をして子供を産むと、仕事中に子供のお世話を頼める保育園のこととか、同じ保育園に通っている子供やその親との付き合いが出てきます。
そんな様子を描いているのが辻村深月さんの『クローバーナイト』。
以下では『クローバーナイト』の見所をお話しします。多少のネタバレはご了承下さい。
クローバーナイトのここがすごい!!
【1】子供を取り巻く関係が詳しく描かれている
この作品の魅力は子供がまだ小さい時期に絡むお話である保活・誕生会・受験・子育てといったリアルなお話が具体的に描いています。
保活というのは保育園に入れる可能性を上げるための活動のことで、親が仕事をしているか否かといった家庭環境で変わります。確実に入れるための手段として離婚という言葉も出てきています。
受験では、色々なことを吸収しやすい時期であるうちに習い事をさせたり、塾に通わせたり、様々な人脈を作るとか。
よその子供の誕生会では自分の子供がもらったプレゼントに釣り合ったものをあげなければいけない、他の人とダブってはいけないという暗黙の了解とか、共感することばかりでした。
【2】子育ては共同でやらなければならないことだと認識出来る
この作品の視点はメインに出てくる鶴峯家の父・裕の視点で進んでいきます。裕は妻の志保・長女の莉枝未・長男の琉大の4人暮らしで、妻が社長で忙しいこともあるためか、仕事もしつつ、積極的に育児に携わる。いわゆるイケダンです。
そんな裕は男子だからこその視点で各家庭の問題を見抜き、家族の問題を解決に導いていきます。
クローバーの三枚の葉は信仰・希望・愛を表し、四つ葉になると幸せも含まれます。ナイトは騎士。自分の家族だけでなく、よその家族の幸せも守る。
この作品のタイトルであるクローバーナイトはまさに裕のことを指しています。
【感想】子育ては大人の試練
全体を通じて、子供にとって勉強が試練なら、大人の試練は子育てなのだと思いました。
そして、子供絡みの人付き合い、夫婦の関係等の大変さを見せつけられました。こんなに大変だと心の余裕が無くなって子供に当たってしまうことも仕方が無いのだろうかと思いました。
しかし、子供に当たるのは間違った行為。子供が小さい時期が大変なのは当然ですし、生まれて来た子供に罪は無い。何よりストレスをぶつけられる子供が可哀想で、しかも子供に当たるのは自分を否定しているようにも思えます。「あなたは子供の頃手がかからなかったのか?」と問われたらどう返すのでしょうか?
それに、保活にしても受験にしても、子供のためじゃなくて自分のためにやっているんじゃないかって感じる部分も多かったです。
今の時代は夫婦共働きが当たり前で、その仕事が子育ての障害になることもある。家族を養うためとはいえ、それだけでは幸せにはなれない。疲れていても出来るだけ多く子供とコミュニケーションを取らないといけない。それは昔も同じだったはず。昔だって本当は父ともっと関わりたかったと思っていたのではないでしょうか?その時代の生まれじゃないから想像でしかないですが。
子供のことで苦しい時は夫婦だけでなく、近所の友人に助けてもらえることもあるかもしれない。そういうつながりがあるとありがたいのかもしれません。助け合いですね。
子育て中の人に読んでほしい作品です。
ちなみに鶴峯家の家庭が幸せそうだったので、理想の家族として挙げて欲しいと思っています。
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【漫画】この世はガマンが多すぎる!|分かっているんだけれど・・・(1巻感想)
時代が進んでいくにつれて便利で豊かな世の中になり、娯楽も増えました。
しかし、娯楽はお金がかかるし、娯楽が増えても所得は増えない、そして便利な生活は生活習慣病のリスクが高まる原因にもなっている。そこで我慢しなければならないことが多くなっています。
そんな我慢をしなければいけない様子を描いた作品が『この世はガマンが多すぎる!』
主人公の新房詩乃はお酒大好き。食生活も偏りがちで、課金も大好き。我慢しなきゃと思っていても・・・我慢出来ない!!
以下では、『この世はガマンが多すぎる!』の見所を紹介します。
多少のネタバレはご了承下さい。
この世はガマンが多すぎる!が共感出来る理由
読者に心当たりがありまくりな我慢が描写されている
本作品の作品の一番の見所は主人公のアラサーOL・新房詩乃が健康のため、お金のために数々の誘惑と闘うシーンの数々。
彼女は医者から酒量制限を勧められてお酒も思ったように飲むわけにもいかず、金銭的に余裕がある訳でもないのに推しキャラのために課金してしまう自堕落で意思が弱いキャラです。
その性格のため、我慢しなければならない日常を過ごしています。
・お酒を我慢
・嫌な上司に絡まれても我慢
・眠気を我慢
・食生活を我慢
お酒が好きだったり、アプリで課金している人等なら心当たりのある行動なので、自然と彼女に共感してしまいます。
結局、我慢できずに堕ちてしまう姿は特に共感。
【感想】何事も程よく
この作品を読んだ感想は、「何事も程よくが一番」です。
好きだからといって制限かけずに好きなだけお酒を飲んだら当然どこかでしわ寄せが来て我慢しなければいけなくなるか最悪の場合、止めなければいけなくなる。
何かお酒は生涯飲める量があらかじめ決まっているんじゃないかとも感じます。生活習慣病にかかるのは制限を超えた証拠だったり。
だからといって健康のためにと健康を意識しすぎる生活はストレスが溜まってしまう。だから我慢しない時間。例えばラーメンが好きなら食べる日を決めておいて食べる日は思いっきり食べ、それ以外は栄養を考えた食生活をするといったメリハリをつけておけば、我慢する機会は減るんじゃないかと思います。
好きなことをずっと楽しみたいなら、やり過ぎない方が良いでしょう。
特に若い人は共感しやすいと思うのでぜひ読んでほしい作品です。
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